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連載企画 Vol.2:設計のアウトソーシング・SNS戦略が功を奏し、年間約170棟を受注
現在では、チェックハウス単体で年間約100棟、同社の加盟店全体で年間約70棟を受注。ANDPADを利用して業務効率化を図りながらお客様のニーズに応えることで、同社は過去最高の売上を更新し続けている。
ここからは、多くのお客様を惹きつける同社の家づくりの特徴について迫っていく。
まず、ひとつめが設計のアウトソーシングだ。同社は、全国約40社以上の設計事務所と提携をしながら、お客様の理想の家づくりを進めているという。
草野社長: お客様に最も評価していただいているのは、やはりデザイン性の高さだと思います。私たちが設計業務をお願いしているのは、一級建築士資格を保有し、家づくりを熟知している建築家のみ。デザインの引き出しも多く、お客様が考えつかないプランを提案していただくことができています。建築家がお客様と何度も打ち合わせをして、意匠や間取り、仕様を決めていくので、お客様の想いをしっかりと反映できることも魅力のひとつです。経営者になった当初から優秀な建築家の方々とのネットワークづくりには特に力を入れてきました。
経験豊富な建築家に依頼ができるのは、「世界にひとつだけの家を作りたい」と考えるお客様にとって大きな魅力になるだろう。ただ、個人設計事務所に設計を依頼する場合、建築家の作家性を反映しすぎて実用性に欠けた家になってしまったり、チェックハウスの世界観とのズレが生じたりする可能性がある。凝った意匠であればあるほど、施工を請け負う工務店も苦労すると予想されるが、どのように対応しているのだろうか。
山平さん: 他の工務店さんから「設計事務所と組むのは大変ではないか」と聞かれることは多いです。ただ私たちは、まず建築家の方々にしっかりとチェックハウスの世界観をお伝えし、ご理解いただいた方と提携をさせていただいています。私たちもお客様の求めるデザインレベルをしっかりヒアリングして、そこから逸脱していないか、意匠に凝りすぎて実用性・機能性を損なっていないかは必ず確認していますね。
株式会社CH BIZ 専務取締役 山平晋司氏
草野社長: 意匠性の高い設計の場合、施工時の納まりが難しくなることはたしかにあります。当社では、これまでお引き渡ししてきた約1,000棟の実績から、注意するポイントを自分たちでまとめて基準書として残しています。こうしたノウハウを建築士に共有したり、設計の勉強会を開催していることもスムーズな施工の実現につながっています。
約1,000棟の施工実績からノウハウを結集した「収まり図鑑」。意匠の追求と機能面とのバランスを取るためのガイドラインとなっている。
草野社長: 当社が建築工事を行う場合は、施工をお願いする職人さんも厳選しています。現在は新規での募集は受け付けておらず、紹介のみで技術のある職人さんを確保しています。施工していただいた物件はアフターサービスも担当していただくので、お客様に引き渡したあとまで意識して動ける職人さんでないと依頼するのが難しいのです。
こうしたプロセスを経て出来上がったデザイン性の高い住宅を世の中へと発信していく、SNSをフル活用したマーケティングを実行していることも同社の特徴だ。スタイリッシュな施工事例や実際の居住イメージがつかめるルームツアー動画を集めたInstagramのフォロワー数は、6.8万人(※2023年9月現在)にものぼる。その結果、SNSなどで同社に興味を持ち、問い合わせをしてきたお客様のみを担当できる完全反響型の営業スタイルを実現。設計相談からの契約率は65%(2022年度)と高水準を誇っている。
山平さん: 当社は、今住宅を検討しているお客様のニーズに合う施工事例を豊富に持っているため、Instagramでの検索時に上位表示されることが多いです。SNSを見て当社のファンになってくださったお客様が来店されるので、自然と受注率も上がっているのだと思います。
また、同社は住宅の相談カウンターなどからの送客も多い。魅力的な施工事例の数々を公開し、ブランドをしっかり確立することで、安定した受注を可能にしている。
山平さん: 今はSNSやインターネット上に情報が溢れかえっている時代です。お客様も十分リサーチした上で打ち合わせに臨まれるので、お客様の要望を工務店がコントロールできず、何度も打ち合わせを繰り返すような状態が生まれていると聞きます。その点、当社では、設計のプロフェッショナルである建築家が打ち合わせに入り、お客様の要望を取りまとめた上でブラッシュアップしていきますので、提案に納得していただきやすいです。お客様の悩みを解決へ導いたり、迷っているお客様の背中を押したりできるのも、建築家と一緒に家をつくるメリットだと思います。
Instagramのチェックハウス公式アカウント(@checkhouse_official)では、豊富な施工実績を掲載している。
SNSでの情報発信力を活かし、躍進を続ける同社。
今後はどのように事業展開を展開していくのだろうか。展望を伺った。
草野社長: 今後は「衣食住」をすべてカバーしたライフスタイル関連事業を展開していきたいと考えています。すでに地域の食文化を発信するカフェ、トレンドのファッション・最新の家具を扱うショップの運営もスタートしていますが、これからはオンラインショップなどでの販売にもチャレンジしていきたいですね。 将来的には、この事業で生まれた売上の一部を、地元での植樹活動にあてていきたいと考えています。私たちの本業は、たくさんの木を使う建築業です。地元に少しでも多くの木を植えることで、環境保護にも貢献していきたいと考えています。
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